ベストセラー

(斎藤一人)人生も仕事も思い通りにする魔法の法則(舛岡はなゑ)



17歳のオルゴール
『雨にうたれてこの世から消えたい。道に迷うのは嫌だから。人間関係から逃げてしまいたいから。だけど私にはこの世しかいくところがない。そんな言い方おかしいと思われるかもしれない。人間関係から逃げたいと言ってもやはり私は人間が好きだ。笑い、泣き、怒り、くじけたり、励ましたり、そんな人と人のふれあいが好きだから。それに道に迷うのもいいだろう。
雨にうたれて死ぬより
炎のように燃えて生きることのほうが、ずうっと美しい。
燃えろ燃えろ命の炎。
燃えろ燃えろ いつまでも
(いのちの炎)


(幸せ)
私はこんなふうに生まれてよかったと思う。それは いろんなことに ぶつかりながら感じたのであって 決して開き直ったわけではない。それをある友達が言った。「君は自分に負けたんだ。僕はそんな子は嫌いだ。」
そう私に言った彼を見て、私はまだまだ この人は理解してくれてない。この人との仲もこれで終わりだと思った。
この体で生きるということは難しいことぐらい知っている。しかし私はこんな体しかもっていない。歩けない足 あまり動かない手
声の出にくい口、全て私の体についてきたものだから しかたがない。それを乗り越えていくことで私は強くなれるんだと思う。でもこんな私でも ついこの間までは普通の体が ほしくてたまらなかった。
その理由は幸せになりたかったからであった。
普通の女の子のように恋をし 結婚をし 子供を産み そして年をとっていく。そんな平凡な生活が ほしかったからだ。でも平凡って なんだろう。あたりまえの女の幸せってあるのだろうか。いいや そんなものはない。たとえば私の母だ。
母は だいじに育てられ父に巡り会い、そして二人の子供を産んだ。
一人は健康な男の子、もう一人は体の不自由な女の子、まったくちがう子供を同じ愛情で育ててくれた母は一時でも兄と私をくらべたことはなかった。私は母にとっていちもんのとくにもならない子供だ。でも母はぐちもこぼさず私をいつも見守ってくれてる。そんな母は女としてはたして幸せだろうか。神様は人間に何か一つ苦労を与えて、その苦労を乗り越えた人間に幸せをくださる。だから平凡人なんてない。誰もが悩み苦しみ、それぞれの形で それをうめていく。
私もこれから一人歩きしなければならない。でも私は母の子だ。つよい娘に育ててくれた母、優しい母、厳しい母、そしてなによりも普通の子と比べなかった母。そんな女性に育てられたことを私は誇りに思う。そんな母の血を受け継いでる私。私は障害者として生まれ、普通の女の子として育てられた。そのことはとてもよかったと思う。
これからは母を見習い、また母と違った幸せを見つけるだろう。障害者としての生き方はしない。でも障害者であることも忘れない。

しかし私はまず人間として、女として、自分の気持ちに素直に生きていきたい。